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ネームの沼

 ネームというのは思いえがき方も描き方も人それぞれだと思うのですが。私は不思議なことに「ネタに集中すると出てこない」のです。つまり、机に向って真っ白い紙を前にじっとしても何も見えてこない。何故か他の作業をしていたり、ぼんやり人ごみでくつろいでいる時に、すっと横を通り過ぎていく。

 「あ」。

 今、確実に誰かが通り過ぎた、しかもとても大切な、懐かしい…どこかで出会った人らしい…。そんな風にネタはやってきます。その人をいくら追いかけても決して振り返ってくれない。だけど、他の事を一生懸命やってる時に「頑張ってますね」と言いながら気がつくと横にいる。その横にいる「気配」だけを頼りに、その人のデッサンをとっていく。そんな感じにネームを切っていきます

 そして切り始めてみると、どうやらこれは「既に私の中に在る」らしい、と気づきます。ネームを描いている時、それをゼロから描いている、という意識がまるでないのです。既に完成された物語は私の心の沼に沈んでいて、それを一生懸命引き上げて頭の中で読み、その物語の本来あるべき「正しい形」というのを手で書き写していく。現実世界の言葉や絵に置き換えていく。そんな感じなのです。

 ですから私はできた漫画をみて落ち込む時、ネタのアイデアではなくて、それの精度の低さにうんざりして、沼の主に懺悔します。

 おそらく作家さんというのは皆どこかに自分だけの「沼」を持っているのだろうと思います。好きな作家さんに出会うと、一度でいいからその方の沼に深く深く、潜ってみたいと、いつも思います。

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プロフィール

コキ

Author:コキ
こきあい りん(小樹藍りん)。漫画家。
白泉社「別冊花とゆめ」にて商業誌デビュー。
その後秋田書店などを経て現在は集英社クリエイティブ「オフィスユー」で『ニセモノ彼女の本当の恋』を連載中。
他白泉社「LoveSilky」で読切描いてます。

同人活動は主に『ひきこもり修道女日記』というどたばた神様コメディ読切シリーズをコミティアで刊行中。

『ひきこもり修道女日記総集編上下』をCOMICZINで通販中。
角川BOOK☆WALKERからは電子配信中。
各話バラでダウンロード販売をDLsite.comでおこなっております。

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