おめでとうございます~

気がつけば新年も六日目。東京へ帰ってきました。


実家では下鴨神社と八坂神社へ参拝してきました。
ふと気付くと、八坂さんの途中で、母が途中で見知らぬおばさんと話している。


『こんなんでごめんやで~パソコンに慣れてなくて~ふふふ』。


客引きにおばさんにインクのかすれた和食メニューを渡されてました。

祇園に不慣れな私たちはその小料理屋へ入りました。


しかし。


そこは、外はのれんのかかったしっとりした雰囲気なのに、中はいわゆる場末のスナックのような、十人も入ればいっぱいになるような小さな、そしてどうしようもないお店でした。


先客の大家族はすでにアンニュイに出来上がっており、なぜ私たちはこんなところにいるんだろう、という顔をしていました。子供はお父さんの膝で寝ていました。彼らの料理にテンパっている女主人に、すぐにできる料理を、と頼んだ私たちのお雑煮が出てきたのは30分後。お鍋を温めて、お椀に盛るだけで30分。30分。


店にいるのは、取り仕切っている女主人と、客引きしてた天然系のおばさんと、耳の激しく遠い白衣の老人。主人はが二人に必死に指示しているのに、全く動かない。どうやらこの店は実働一人。



気の良い客引き女はただ急須を持ってうろうろしてるだけ。


壁にかかっている日焼け多色紙に、ほこりをかぶったキープボトル。酒升なかに無造作に入ってるお札。そしてカウンターの止まり木のイスには、店員の私物のジャンパーが丸まっている。



すべてが目が離せない。


やっと出てきたお餅は固まってなかなか呑み込めない。

そんな餅に苦労している私たちに、女主人は、明日から始まる仕出し弁当の仕事の話をし始める。普段は日中は老人ホームに仕出しをしているらしい。しかしそのホームにいるのは骨董屋のケチな主人や、意地悪し続けた置き屋のお母さん、わがままでメニューに文句ばかり付けるらしい。



『近くにたつみ橋、ていうのがあってね。山村美紗サスペンスに出てくるの、見に行ってみてくださいよ~!』


そんなことどうでもいいから、この餅、焼きなおしてくださいよ。しかもお勘定は一人900円。あの小さなお椀に、白みそと餅だけで。900円。



二人で逃げるようにお店を出る。


すると、おかみがお箸を持って追いかけて来る。



『これは竹でできてて、上等なお箸やなんやえ、持って帰っておくれやす』(京都弁誇張)。


その後、電車に乗って、母と二人、互いの顔を見て、思い出し笑いが止まらない。



二度とあのお店に行く気はないけど、あんなにダメなお店でもしっかり存在している京都、やはり怖ろしや。
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プロフィール

コキ

Author:コキ
こきあい りん(小樹藍りん)。漫画家。
白泉社「別冊花とゆめ」にて商業誌デビュー。
その後「シルキー」、宙出版「いちばん怖くて綺麗な童話」「恋愛白書スタート!」秋田書店「ミステリーボニータ」「プリンセス」「恋愛よみきりmax」「プリンセスゴールド」「プチプリンセス」などでお仕事。

得意は不思議ショートと情熱恋愛もの。

現在は集英社クリエイティブ「オフィスユー」
白泉社「LoveSilky」などでお仕事。

同人活動は主に『ひきこもり修道女日記』というどたばた神様コメディ読切シリーズを刊行中。

『ひきこもり修道女日記総集編上下』をCOMICZINで通販中。
各話ダウンロード販売をDLsite.comでおこなっております。

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