あっという間に弱者。

 昨日は夏の終わりにふさわしい武道館ライブ。やはり生の舞台、ショウというのはパワーを感じます。去年云った維新派の琵琶湖野外劇『呼吸機械』の時も思いましたが、自分の身体を他人にさらす仕事、というのは尋常じゃないストイックさを感じます。私自身がが普段、書き物、という二次媒体を通して人と接しているから。

 昨日は座席場所も良かったので、普段と違うショウを見れたし、きれいな照明や映像、作りこまれた虚構が自分は大好きだし、これがなくては生きいけないのだな、とつくづく思います。

 ナチュラルであること。

 肩ひじ張らない、等身大の自分

 昨今はやりのこのナチュラル感が非常に苦手な私です。決して≪森ガール≫にはなれない。そして、このライブに来てる人々もそうだろう、とぼんやり考えてたら。

 「ゴキ。」

 ライブ後、トイレを出たところで激しく足首を挫く。

 武道館の医務室の人に湿布していただき、大勢の興奮冷めやらぬお客さんの中、端を選んでもそもそ帰る。あんなに楽しかった(暴れた)ショウの後にこんなことが待ち構えていたとは。何とも複雑な気持ちで独りのろのろと歩いていたら、九段下駅で気になるポスター発見。

090830_2104~02 

 『療養所の戦後』。しょうけい館。

 …なんと、そんな楽しい企画があったのか…。何、その可愛い木製の車いす。そういえば神谷美恵子の本にも記述が…。

 そして、そのポスターを必死で写メしている私を全くスルーして、ホームへ急ぐゴスな人々。自傷、には反応高いのに、こういうものにはヒットしないのか…と思いつつ。そしてふと、今自分が『弱者』になっていることに気づく。昔からギブスやぎっくり腰に縁があり、自宅で水を飲みに行く距離も遠い、と身にしみて分かっている私にとって、なじみのある経験ではありましたが、健康体では簡単に忘れるもの。いつでも人は簡単に『弱者』になる可能性がある。誰かの助けを借りないと、誰かに頭を下げないと、生きていくことも困難になる状況。しかし、いかなる時も自分の誇りは忘れてはならない。顔をあげて、堂々と生きていかねばならぬ。

 ライブ後の興奮のせいか、何故が自尊心まで考察してしまいながらも。

 小銭を集めてタクシーで帰りました。

 家に着いた途端、手にしていた紙袋が雨で破れて、小さく震えた私がこぼれ落ちてきました。

 

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プロフィール

コキ

Author:コキ
こきあい りん(小樹藍りん)。漫画家。
1998年白泉社「別冊花とゆめ」にて商業誌デビュー。
その後「シルキー」、宙出版「いちばん怖くて綺麗な童話」「恋愛白書スタート!」秋田書店「ミステリーボニータ」「プリンセス」「恋愛よみきりmax」「プリンセスゴールド」「プチプリンセス」などでお仕事。

得意は不思議ショートと情熱恋愛もの。

現在は集英社クリエイティブ「オフィスユー」などでお仕事。

同人活動は主に『ひきこもり修道女日記』というどたばた神様コメディ読切シリーズを刊行中。

『ひきこもり修道女日記総集編上下』をCOMICZINで通販中。
各話ダウンロード販売をDLsite.comでおこなっております。

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