コピー用紙。

 コミティアの準備に入る予定だったのに、商業の打ち合わせが長引いて結局描き下ろしは絶望的。しかし何か出したい。新作を、しかも完璧なネームをっ!と。自分を何故か追い込んでいることに気づく。

「描きたいものを自分のペースで描く、を大前提にしてる同人で、何苦しもうとしてるんだ自分。」

というわけで。力を抜いて自分の力量でやろう。地味に、しかし最大限の魂で。(なんだそら。)

で、コミティアネタを考えようとしたら、落書きネーム用にしてる500枚入りコピー用紙がない。あれ、この間新しくおろしたはずなのに。え、商業ネームバトルに使いきったっ…500枚…。左右2ページ。裏表使って計4ページ×500枚…。2000ページ…。実質40ページのお話に…50倍て。

…ま、そんなもんですな。はっはっは。(竹本泉先生口調で。)

皆さんも同人の夏かしら?

編集女史は「この夏はオードリーが来ますよ!」と嬉しそうに語ってました。…若受け?春日受け?…どっちもありだね!

という訳で。

若林君と消えたコピー用紙が地味に気になる、夏。

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切手大好き!

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 しかも大好きな医療系。心落ち着く…。にや~。

 

 先日の東京コミティアの直後、思いついたネームを一生懸命掘っていました。

 掘って、掘って、潜って、掘って。

 そんな事を繰り返していると、過去に何気なく見ていたシーンや感情を唐突に思い出して我ながらびっくりします。今やっているのは夏コミティアに新作で出すつもりでしたが、ちょっと変わった、青年誌的な作りになりそうなので、どんな風になあるか、自分で実験しつつ書こうと思っています。

 長らく漫画を描いていると、つい自分のパターンにはまってしまったり、過去に編集部に求められた展開に無意識に持っていこうとしてしまう。(これを私は{ネーム選考会トラウマ}と呼んでいます…)

 もっと新しいモノが読みたい。誰より私自身が見知らぬ空気感の漫画を渇望している。わかりやすい感情カタルシスでなく、その漫画の世界から還ってこれなくなるような、そんな漫画、今生で描けたらいいなぁ…。

 そんな煩悩に悶えつつ。今日は近所のドラッグストアの入り口で当り前のようにあるツバメの巣に感動しつつ。レジキャッシャーの女の子の左手の激しいリストカット痕から目が離せない一日でした。

 

ネームの沼

 ネームというのは思いえがき方も描き方も人それぞれだと思うのですが。私は不思議なことに「ネタに集中すると出てこない」のです。つまり、机に向って真っ白い紙を前にじっとしても何も見えてこない。何故か他の作業をしていたり、ぼんやり人ごみでくつろいでいる時に、すっと横を通り過ぎていく。

 「あ」。

 今、確実に誰かが通り過ぎた、しかもとても大切な、懐かしい…どこかで出会った人らしい…。そんな風にネタはやってきます。その人をいくら追いかけても決して振り返ってくれない。だけど、他の事を一生懸命やってる時に「頑張ってますね」と言いながら気がつくと横にいる。その横にいる「気配」だけを頼りに、その人のデッサンをとっていく。そんな感じにネームを切っていきます

 そして切り始めてみると、どうやらこれは「既に私の中に在る」らしい、と気づきます。ネームを描いている時、それをゼロから描いている、という意識がまるでないのです。既に完成された物語は私の心の沼に沈んでいて、それを一生懸命引き上げて頭の中で読み、その物語の本来あるべき「正しい形」というのを手で書き写していく。現実世界の言葉や絵に置き換えていく。そんな感じなのです。

 ですから私はできた漫画をみて落ち込む時、ネタのアイデアではなくて、それの精度の低さにうんざりして、沼の主に懺悔します。

 おそらく作家さんというのは皆どこかに自分だけの「沼」を持っているのだろうと思います。好きな作家さんに出会うと、一度でいいからその方の沼に深く深く、潜ってみたいと、いつも思います。

見たことのない風景

 昨日は曇り空の日曜日でした。私は普段は晴天が好きなのですが、日曜日は曇り空でも好き。荒井由実の「ベルベット・イースター」みたいに、なんか祝福されたような、誰かに静かに守られているような気がするからです。そんな訳でうとうとしているような街中へお散歩に出かけました。

 平日にはバタバタ通り過ぎる道も、こんな日はのんびり。ついでに前から気になっていた喫茶店に入ってきました。

 そのお店は近所のスーパーの向かいの建物の二階にあります。いつも買い物で通るたびに、大通りに面した窓際の席を見上げていました。表に目立つ看板もないし、入口は二階なので、そのお店の存在に気づいている人は少ないみたいで。実際お客さんが入っているところを見かけたこともなく、つぶれる前に行かなきゃなぁ、なんて思ってました。それとなにより。その窓際の席から見える景色を見たかったのです。

 中に入ってみると思いがけずお客さんが多くて、お店の方もフランクで。安心したような、がっかりしたような笑。でもちゃんとお目当ての席に座れてのんびりできて満足。珈琲をいただきながらぼんやりと、スーパーを出入りする人々を眺めていました。いつものスーパーが、ちょっと視点を変えるだけで全く違って見える。こういう些細な刺激に脳みそは大悦び。見たことのない風景が私は大好き。

 そしてふと気付くと、目の前に車の列が。スーパーの二階が屋外駐車場になっていたのです。「あんなところに駐車場があったのか…」。

「…次はあの駐車場から見える景色を見たい!」

と、この時、ネーム落雷。

「こういう風にどんどん見たことない風景を追いかけていく主人公のショート漫画、面白いんじゃないかな?」

私は隙間に隠れた不思議物語というのが好きなので、ネタを思いつくのはほぼ生活の営みの中でなのですが、その「落雷」がいつ来るかは、全く予想できない。だから「来た」時にはなによりそれを優先させて形にするしたない。

という訳で。頭のネーム洗面器をこぼさないようにゆっくり、でも急いで帰ってきました。どんな漫画になるか、楽しみにしていただけたら嬉しいです。

 
…その前に今描いてる{遊園地で借金取りに追われる女子の話}。早くあげなきゃ笑

プロフィール

コキ

Author:コキ
こきあい りん(小樹藍りん)。漫画家。
白泉社「別冊花とゆめ」にて商業誌デビュー。
その後秋田書店などを経て現在は集英社クリエイティブ「オフィスユー」で『ニセモノ彼女の本当の恋』を連載中。
他白泉社「LoveSilky」で読切描いてます。

同人活動は主に『ひきこもり修道女日記』というどたばた神様コメディ読切シリーズをコミティアで刊行中。

『ひきこもり修道女日記総集編上下』をCOMICZINで通販中。
角川BOOK☆WALKERからは電子配信中。
各話バラでダウンロード販売をDLsite.comでおこなっております。

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